第2麺へ 1・2

☆香川県の高松までのキップを買った。高徳線(こうとくせん)である。四国三郎と呼ばれ、坂東太郎とならぶ大河を電車は渡った。右手に行くと淡路島にもどるが、左手にむかい、いくつかの駅をすぎると、多島海が窓の外ちかくに広がる。もう大丈夫だ。

2020最後の言葉 12・31

☆タローは一丈スライムを倒した。たったひとりで勝ち抜いた。勝か負けるか、それが自然界だとわかった。勝つためには、力をつけるしかない。世界は惨劇に満ちていた。

脳点一撃 12・31

☆脳天串刺し、脳ある尻から星が飛ぶ。

遂行 12・31

☆ぼくの作戦、こういうの。竹槍でじゅうぶん。

頓知 12・30

☆一丈化け物をうかがうと、排尿管が地面に突き刺さったままだ。抜こうとしているが、抜けない。いまだ。タローはかたわらの木に抱きついた。元い。タローは木によじのぼる。早く早く。

刹那の戦い 12・30

☆耳元に焼き火箸のような熱い空気の矢が落ちてきた。その瞬間、あらゆる力を下半身に集中して、思いきり跳んだ。1秒でも遅れていたら、と、あとになって冷や汗が背筋を流れた。

内輪話 12・29

☆監督「ジジ、ト書きに『旋風巻キ起コル』とあるのに、なぜ描かない』。ジジ「風は見えない」監督「枯れ葉を、ぐるぐる回せるといいだろ」ジジ「作品の季節は秋ではない」監督「くそっ、風の音が停止して、このシーンになるんだ。ゴウゴウと鳴っていた音がぴたりと止む。はっとしてタローが見上げると、なんと一丈スライムが頭上にいる」

半回転 12・29

☆よく見てろ、小僧。宙返りだ。(左端から時計回りに見る)。太郎はにらみつけているが、なにもできない。

ジャンプ 12・28

☆ほーれ、飛翔することもできる。ゲバ棒か竹槍か、そんなもので一丈に勝てると思ってたのか。おろか者が。

力の差 12・28

☆小僧、たとえ巨漢でも、動きは早いぞ。それ、浮上の術だ。おまえの命運はつきた。短い人生だったな。眉山に死す。享年10か。がはっ、はは。